■ コレステロール関連のニュース -3- 境界型糖尿病とウォーキングの健康効果
糖尿病かどうかは血糖で診る。早朝空腹時血糖値が126mg以上か、経口プドウ糖負荷試験(OGTT)の二時間血糖値、または随時血糖値が200mg以上だと糖尿病になる。早朝空腹時血糖値が110mg未満で二時間血糖値が140mg未満だと正常型、どちらにも属さない場合が境界型糖尿病と診断する。境界型糖尿病には欧米人に多い空腹時血糖異常(IFG)と、日本人に多い耐糖能異常(IGT)の二タイプがある。IGTの状態ですでに心血管病などの合併症が認められる。早期の対応が欠かせない。中高年のIGTの多くは運動(歩行)不足が原因。インスリン抵抗性により血糖を筋肉などに取り込みにくくなった状態で、インスリンを過剰に分泌する高インスリン血症になっている。OGTTを実施すると、分泌パターンは正常では一時間後のインスリン値が最も多い山型になる。インスリン抵抗性・高インスリン血症では空腹時のインスリン値は少し増えるだけだが、二時間後のインスリン値が最も多くなる右肩上がりの曲線になるのが特徴。インスリンの総分泌量も増える。高血糖が進むとそれまで増え続けていた二時間後のインスリン値と総分泌量はある時点で減少に転じる。その後、インスリン分泌の少ない糖尿病が発症する。メタボリック症候群を合併した例では、高インスリン分泌の状態で糖尿病を発症する例もある。ウォーキングを継続、習慣化すると、このインスリン分泌パターンに劇的な変化が見られる。インスリン抵抗性の改善によって、それまで増え続けていたインスリンは徐々に減少し、正常状態に回復する。呼応するように血糖値も正常になる。ウォーキングはこの分泌過剰を続けている期間に最も効果がある。OGTTでインスリンの分泌状態を見ながら歩数を調節すると無理のないペースで正常型に改善できる。
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