■ コレステロールとは何か、なぜ悪玉なのか?
「悪玉コレステロール」という言葉をよく聞く。
コレステロールとは何か、なぜ悪玉なのか、を考えてみよう。
コレステロールは大切な栄養素。細胞やホルモンを作るために必須で、これなしで人間は生きていけない。
ただ、必要なコレステロールはごく少量でよい。肝臓でも作られていて、それだけで十分という説もある。
飽食の時代、現代人はコレステロールを取り過ぎている。過剰なコレステロールは体内でどうなるのか。
コレステロールは水に溶けず、乳化剤のような物質に包まれ、無数の微粒子となって血液中を流れている。この微粒子には複数の種類があり、―つがLDL。コレステロールを細胞まで運ぶ大切な役割を担う。
このLDL粒子か多過ぎると、中のコレステロールは血管の壁にたまり、動脈硬化症をひき起こす。心筋梗塞(こうそく)や脳恋巾の原因となる。そのためLDL粒子には「悪玉」という名前がついた。
LDLコレステロール値が高くなる原因は2つ。1つは体質で、もう1つがコレステロールの多い食品の取りすぎだ。
体質にもいろいろあり、LDL粒子を細胞に取り込む仕組みがうまく働かないというのもある。この体質は遺伝することが分かっていて、日本人では500人に1人の割合とされる。
最近、イタリアでの大規模調査から、扁姪ではLDLコレステロールの検査値が15%上がると、その後10年間の死亡率も15%ほど高くなる事実が判明した。
一方、女性ではLDLコレステロール値と死亡率の関係にあまりはっきりした傾向が認められなかった。女性はLDLコレステロール値の上昇に強いのかもしれない。
下げ過ぎても特に問題はなく、ほどほどにする必要はなさそうだ。
LDLコレステロール値を下げるには、まずコレステロール含有量の多い食品をなるべく食べないことだ。卵、肉類、モツ、バターなどに多い。
ただし、イカなど魚介類に含まれるコレステロールは検査値を悪化させない。
人間の体は動物性コレステロールを大量に食べるようにはできていない。祖先の食生活に思いを巡らせ、反省してみることも必要だろう。
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